2021年 第30回 全国定例研修会のご案内

Verein zur Förderung des Japanisch-Unterrichts an VHS e.V.
Einladung zum 30. Fortbildungsseminar

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※お申し込みはこちら(会員限定です。)

Einladung auf Deutsch

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    第 30 回 全国定例研修会のご案内

                                  20201222

 

ドイツVHS講師の会会員の皆様

 

師走の、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 2021年の全国定例研修会のご案内をさせていただきます。この研修会が初めて開催されてから第30回の節目である今回は、ノルトライン・ヴェストファーレン州支部が担当し、当会の全国定例研修会としては初めて、オンラインで開催いたします。

  私たちの研修会では、ドイツ全国で日本語を教える仲間と互いに顔を見せ、机を並べて勉強をすることが格別の楽しみとなっていますが、今年は未曾有の事態となり、それは叶わなくなりました。反面、この期間にオンラインでの授業や交流の技術に慣れ、いろいろな可能性を試してきた会員も多く、コロナで会えないならばオンラインで顔を合わせようという気持ちが強くなりました。そして、日本にいらっしゃる先生にもご講義をお願いできるというオンラインの強みを活かし、会員から要望の高かった先生お三方にいらしていただくという、贅沢なプログラムが実現しました。

 今回の研修会は、会員のみの参加となり、参加費は無料です。非会員で参加を希望される方は、是非ご入会下さい。多数の皆様のご参加を心よりお待ちしております。

  また、今回は第30回目の研修会を記念して、懇親会で今までを振り返る時間を少し持てないかと考えています。この回の5年前、10年前、15年前の写真や資料などをお持ちの方、ご連絡いただけないでしょうか。また「あの時の研修会は雪でたどり着くのが大変だった」などの思い出話や、研修会に限らず、ネットなどの環境がなかった時代の日本語の授業、苦労話なども歓迎です。

 

  全国研修会開催には、これまでと同様にケルン日本文化会館(国際交流基金)の多大なるご支援をいただいております。また、広報に関しましては、在デュッセルドルフ日本国総領事館よりご支援をいただいております。

 プログラム

 

2021314日(日)

10:00 - 10:30 CET

開会式

2021314日(日)

10:30 - 13:30 CET

(18:30 - 21:30 JST) 

講義1迫田久美子先生

2021314日(日)

15:00 - 16:00 CET

会員発表

2021314日(日)

16:10 -         CET

懇親会

 

 

 

2021321日(日)

10:30 - 13:30 CET

(18:30 - 21:30 JST) 

講義2川口義一先生

2021321日(日)

15:30 - 18:30 CET

(23:30 - 02:30+ JST) 

講義3近藤裕美子先生

 

2021321日(日)

19:00 – 19:30

閉会式

 

 会場 オンライン(Zoom

 

講義1

 

「学習者の心に火をつける教え方を目指して」

 

 第一部 第二言語習得研究が役に立つこと

   第二部 「わかる」を「できる」に変えること

 

 講師 迫田久美子先生

 

広島大学森戸国際高等教育学院特任教授・副理事、国立国語研究所日本語教育研究領域客員教授。広島県生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。専門は第二言語習得および日本語教育。主な著書は『中間言語研究日本語学習者における指示詞コ・ソ・アの習得』(渓水社1998)、『日本語学習者の文法習得』(共著 大修館 2001)、『日本語学習者コーパスI-JAS入門研究・教育にどう使うか』(共編著 くろしお出版 2020)、『改訂版 日本語教育に生かす第二言語習得研究』(アルク 2020)など、多数

 

 先生からご紹介をいただいた「第二言語習得研究の過去・現在・未来」という記事のリンクです。この記事を読まれると、先生のご講義が聞きたくなることと思います。

 

NJ日本語ジャーナルhttps://nj.alc-nihongo.jp/entry/20200806-dainigengo (参照2020-08-06)

 

概要

 「普通の教師は言わなければならないことをしゃべる。良い教師は分かり易いように解説する。優れた教師は自らやって見せる。そして、本当に偉大な教師というのは生徒の心に火をつける。」これは、アメリカの教育者アーサー・ウォードの言葉です。第一部では、日本語を教える上で、なぜ科学的な研究分野が必要なのか、第二部では、「わかる」ことと「できる」ことは違うことを理解し、日々の授業で大切なポイントを考えます

 

 

講義2

 

欧州における日本語教育の新たな展開

   ―学習者と教師の解放のための

      コミュニケーション分析ワークショップ―

 

 講師 川口義一先生

 

1949年生まれ。19823月、早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。19784月~20143月、日本語教育を主要業務とする早稲田大学の学内機関3ヶ所で教鞭を執り、20144月同大学を早期退職。同時に、同大学名誉教授に叙せられる。現在、「言語・生活研究所」代表。早稲田大学在職中から現在に至るまで、海外における派遣・招待講演の経歴は、赴いた先の国や地域で延べ33ヶ所、回数では95回を超える。主要著作は、『日本語の発音指導VT法の理論と実際』(1990凡人社)・『日本語教授法ワークショップ』(1996凡人社)・『敬語表現』(1998大修館)・『ライブ! 成長する教師のための日本語教育ガイドブック』(2005ひつじ書房)・『ドラマチック日本語コミュニケーション 「演劇で学ぶ日本語」リソースブック』(2012ココ出版)・『もう教科書は怖くない! 日本語教師のための初級文法・文型完全「文脈化」・「個人化」アイデアブック』(2016ココ出版)など。

 

 概要

 現在の日本語教育の問題の最たるものは、いまだに「コミュニケーション」である。日本語教師の誰もが教材中の会話文や文法項目の練習問題文などが、コミュニケーションのあり方としてきわめて不自然であるため、その扱い方に悩まされた経験を持っていよう。それは、本講師が言う文法項目の「文脈化」、すなわち「誰が誰に向かって何のために、わざわざ特定の文法項目を使って表現するのか」というコミュニケーションの基本的な課題が、文法項目の用法との関係から詳細に検討されずに会話文や練習問題が作られているせいである。このため、文法項目の使い方が適切に示されず、欧州外国語教育の根幹であるcan-do statementsの記述もコミュニケーション教育に有効には行われていない。その結果、CEFRの目標たる「複言語主義」を実現するための学習者の「個人化」表現教育が妨げられ、学習者から自由な表現力を獲得する環境が奪われているのが欧州の日本語教育の現状である。この状態は早期に解決して、学習者と教師の解放が図られなければなるまい。

 

本講演では、この課題に、「コミュニケーションとは何か」そして「文法項目はいかにコミュニケーションと関わるか」という観点からアプローチし、教材の会話文や練習問題の分析から立ち現れる、自然なコミュニケーションのあり方への省察を通して、自由な表現者としての自律的学習者とそれをサポートする教師との良好な関係の構築に向けて、日本語教育が新たな展開を図る方略を模索する。

 

研修では、参加会員が自身で教え方に困難を感じた特定文法項目の導入案、教師用解説、練習問題、会話例などについて、「あるべきコミュニケーション」を想定したときに、それらのどこに問題があるのかを批判的に分析する。その後、では、それらを現場でどのように扱えば、当該文法項目の用法をコミュニケーションに生かした表現教育を実現できるのか、参加者間で議論してワークショップの実をあげたい。

 

 

講義3

 

新しい環境下での新しい日本語教育実践を考えるーコロナ禍の経験を活かして

 

講師 近藤裕美子先生

 

国際交流基金パリ日本文化会館日本語教育アドバイザー。米国、タイ、モロッコ、アイルランド、スペイン、フランス、日本にて、初等中等教育、大学、成人向け講座、教育省内の日本語セクション、留学生向けのコース等様々な場での日本語教育に従事。2008よりヨーロッパで勤務、日本語教師研修を数多く担当する。2015年よりオンラインを活用した研修、ハイブリッド型の研修をデザイン・実施するほか、日本語教師の生涯学習や学びの場作りに関心を持って取り組んでいる。2020年3月から継続的に実施している所属先のパリ日本文化会館主催のオンライン教師研修は150講座におよび(202012月現在)、その企画・運営や講座担当等に携わっている。

 

概要

 2020年春、COVID-19の感染拡大の影響と外出制限を背景に、日々の日本語教育実践を成立させる環境そのものが大きく変化し、私たち(日本語教師、日本語学習者)は翻弄されてきました。しかしながら、新しい環境の変化に合わせて、個々人が「格闘」した経験やそこで得られた知見は、「応急処置」のレベルに留まりません。「アフターコロナ」「ニューノーマル」という表現をよく耳にするようになった昨今、日本語教育も新たなフェーズへと急激に向かっています。

 

 この講義では、この数ヶ月間で「得たもの」を振り返りつつ、整理・共有することで、私たちそれぞれがより良い日本語教育実践を目指していくための「ひきだし」を増やしていく場にしたいと考えています。具体的には、「ツール」「場」「越境」という3つのキーワードを軸に、講義とグループディスカッションを組み合わせながら、整理と共有をしつつ、議論を深めていきます。

 

 

 使用言語: 日本語

 

 申し込み方法:参加される方は当会ホームページhttp://vhsjapanisch.jimdo.comにて、研修会・勉強会案内の定例研修会申し込みよりお申し込みください。今回は各講義ごとに個別に申し込み、参加ができます。

 

 締め切り20210131()

 

 

 会員発表者募集:参加者による口頭発表、ポスター発表を予定しています。日頃の実践や研究の発表を希望される会員の方は、お申し込みの際、簡単な内容と発表形式とともにその旨お書き添え下さい。なお、発表形式は以下のようなものを考えています。この他にもご提案がある場合はお申し出ください。

 

 Zoomで発表 + 質疑応答

 対面の発表と同じ形式で、会員発表の時間に決められた時間の中で発表と質疑応答をします。

 

ビデオで発表 (事前視聴)+ Zoomで質疑応答

 発表者がビデオに収録した内容を視聴制限のついたYouTubeのチャンネルにアップし、そのビデオを会員が事前に視聴します。会員発表の時間には質疑応答をします。

 

事前視聴が前提となるため、会員の方が事前に時間が取れるよう早めにご準備ください。

 

 ・ポスター発表

 発表したい内容をPDFjpgなどの形式にしていただき、Padletに掲示します。質疑応答は個別にしていただくことになります。

 

 

2回目案内:申し込みされた方には20212月中旬に申し込み確認書、研修プログラム等をメールで送ります。

 

 ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

アドレスvhs.zenkoku2021@gmail.com

 

 

 

VHS 日本語講師の会 第 30 回全国定例研修会実行委員会

 

花田久美子